ポルターガイスト~封じられた扉~
確かに、学校へ行けば友達が沢山いた。


だから寂しさを忘れることもできた。


だけど、家に戻ると誰もあたしのことを見てくれなかった。


テストで100点を取っても、沢山家のお手伝いをしても、誰も褒めてくれなくなった。


その代わり、『洋司はすごいね。洋司は天才だ』そんな声がよく聞こえるようになってきた。


そっか、洋司は天才だったんだ。


だから両親はあたしより洋司に構うようになったんだ。


それなら、あたしはもっともっと頑張って勉強しなきゃ。


洋司に負けないくらい、もっともっと……。


でも、違ったみたい。


あたしがどれだけ頑張っても、いい子でいても、両親はあたしを見なかった。


たまに手伝いを失敗してお皿を割ったりすると、『仕事を増やすな』と、怒られた。


だけど洋司が悪いことをしても、両親はしかりつけなかった。


なにかがおかしい。
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