ポルターガイスト~封じられた扉~
そう感じ始めるのに時間はかからなかった。


両親はどうして洋司ばかりを気に掛けるんだろう。


洋司だって失敗することがあるのに、どうして怒らないんだろう?


疑問と、憤りを感じる毎日になった。


そんなとき、心のよりどころだったのは家政婦さんだ。


2年前、ちょうど洋司の勉強が始まったころからこの家に勤め始めた家政婦さんは、とても優しい人だった。


お母さんみたいに柔らかな肌をしていて、お母さんみたいに笑顔で包み込んでくれる人。


あたしも洋司も、すぐに家政婦さんになついて甘えた。


けれど、洋司には毎日勉強が待っていた。


だから、家政婦さんと遊ぶ時間もなかったのだ。


あたしは家政婦さんなら独り占めをすることが許された。


元々、手をかけたくないあたしのために雇われたみたいだったし。
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