ポルターガイスト~封じられた扉~
☆☆☆

家に戻っても、あたしは怒られなかった。


両親も弟も静かに眠っていて、まるでなにもなかったかのようだ。


もしかしたら、あたしが家を出たことにも気が付いていなかったのかもしれない。


家政婦さん1人だけが、あたしの異変をキャッチしてくれたのだ。


「今日はごめんなさい」


家出してしまったことも、両親が全く気が付かなかったこともショックで、あたしはうなだれて言った。


「大丈夫ですよ。私だって家出の1度や2度、経験がありますから」


「本当に?」


「本当ですとも。最初の家出は2年生の頃でした」


「家出の理由は?」


「当時すごく欲しかったおもちゃを買ってもらえなかったからです」
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