ポルターガイスト~封じられた扉~
☆☆☆

誰にも気がつかれない家出から一週間が経過していた。


あたしは夏休みになり、毎日家にいるようになった。


だけど、昨日から家政婦さんはお休みを取っている。


ちょっと早めの夏休みで、一週間はここへ来ないらしい。


とうとうあたしは暇になってしまった。


屋敷内で完全に独りぼっちだ。


洋司は相変わらず両親から勉強を受けていて、時々部屋からは楽しそうな笑い声が聞こえて来る。


そんな声が聞こえて来ると、あたしは自分のベッドにもぐりこんで両耳を塞いだ。


あたし抜きの楽しい声なんて聞きたくない。


どれだけきつく耳を塞いでいても、なぜだか洋司の笑い声だけはしつこく聞こえて来た。


そんな時、あたしは布団の中で悲鳴を上げてすべての音をかき消した。
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