ポルターガイスト~封じられた扉~
頭の中は真っ白だ。


ただこの小さな生き物を自分の前から排除したかった。


視界から消えてくれればそれでいい。


家の中に戻るとか、両親に任せるとか、方法は沢山あった。


だけど……あたしの目の前には井戸があったんだ。


真っ黒で、永遠に下へ下へと続いているように見える井戸。


「やめてお姉ちゃん!」


洋司の悲鳴はほとんど聞こえていなかった。


あたしは弟の体を井戸へと突き落としたのだった……。
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