ポルターガイスト~封じられた扉~
☆☆☆

そんな出来事から一週間ほどが経過した時、あたしの体に妙な異変が起きていた。


『お姉ちゃん』


突然、頭の中に洋司の声が聞こえ始めたのだ。


こんなことあるはずない。


洋司はもう死んでいるんだから。


『僕だよ、洋司だよ』


洋司の声は生前と変わらず、可愛らしいものだった。


ふりむけば赤い頬をした洋司がそこに立っているような気がした。


しかし、ふりむいても誰もいない。


洋司の声はあたしにしか聞こえていない。


「どこにいるの?」


『お姉ちゃんの中にいるよ』
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