ポルターガイスト~封じられた扉~
『僕はお姉ちゃんに殺された。だから、呪いをかけるためにここへ来たんだ』


洋司の言葉が嘘か本当かわからなかったけれど、皮膚が剥がれ落ちる場所は徐々に増えて行った。


足のかかと、指の節、おへその周り。


それは所かまわず剝がれ落ち、最後には黒くて硬いものだけが残された。


硬くなった部分は曲げる事ができないため、あたしは常にすり足で歩くことになった。


そんなあたしを見て両親や家政婦さんは気味悪がったけれど、もうあたしに近づこうともしなかった。


あたしは徐々に部屋から出るのが面倒になり、食事も排泄も、すべて部屋の中で行うようになった。


食事は家政婦さんが運んでくれて、トイレは赤ちゃん用のオマルでやるのだ。


それでも、足を曲げることができないから、毎回汚してしまった。


優しかった家政婦さんは化け物でも見るような目であたしを見るようになった。


どうしてこの子は動かないんだろう。


どうしてこの子はこんなに汚すんだろう。


そんな気持ちが伝わって来る。
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