ポルターガイスト~封じられた扉~
☆☆☆

それからあたしたちは先生を説得して、7人で桜さんの入居している老人ホームへ向かうことになった。


バスを乗り継いで30分くらいの丘の上にそのホームは建っていた。


「ここよ」


バスか下りて丘へ続く道を上がり切ったところで、先生が言った。


見上げると立派な3階建てのホームがそびえたっている。


【幸せホーム】と書かれた文字は最近塗り替えられたばかりのようで、広い芝生の庭もキチンと手入れがされている。


ホームを囲むようにして建てられている木製の柵を押し開けて入ると、ちょうど施設の方が表に出て来たところだった。


両手に黒いごみ袋を提げている体格のいい男性だ。


男性はあたしたちに気が付くと軽く会釈をして近づいて来た。


「なにかご用ですか?」


野太い声で男性が聞く。


「私、桜高校の者です」


先生はそう言い自分の名刺を渡した。


その瞬間男性の表情が和らぐのがわかった。

< 166 / 202 >

この作品をシェア

pagetop