ポルターガイスト～封じられた扉～

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桜高校の設立者は桜勘吉（ｻｸﾗ　ｶﾝｷﾁ）さんという名前らしかった。


今年９０歳になり、自分の息子と介護士さんの区別がつかなくなっているという。


想像以上にご年配だったため、あたしは広貴と目を見交わせた。


これから桜高校について聞かなくてはいかないのに、受け答えをしてくれるかどうか不安になった。


男性介護士に連れられてやってきたのは１階の一番奥の部屋だった。


軽くノックをしてドアを開けると、６畳のほどの部屋が広がっていた。


介護用ベッドと、簡易的なテーブル。


テレビは壁掛けになっていて、寝転んでいても見やすいようにちょっと斜めになっている。


小さなテーブルの上にはラジオが置かれていて、部屋の中には陽気な音楽が流れていた。


「桜さんはテレビを見るよりラジオを聞く方が好きなんです」


男性介護士はそう言い、ベッドの上に横になっている男性に近づいて行った。