ポルターガイスト~封じられた扉~
「桜高校について、いくつか質問があるんですけど、いいですか?」


広貴が聞くと、桜さんは大きく頷いた。


「もちろん。あの学校は私が建てたんだからね」


急に背筋が伸びた気がした。


ベッドに寝転んでいたときはただの老人だったのに、学校の話になるとシャンとするみたいだ。


そのくらい、思入れのある学校なのだろう。


「桜高校が建てられる前、お屋敷がありましたよね?」


広貴の質問に、桜さんの表情が変化した。


少し眉をよせて笑顔を消したのだ。


「あぁ……確かに屋敷があった」


うんうんと頷いているが、あまり思い出したくないようであたしたちから視線を外す。
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