ポルターガイスト~封じられた扉~
このまま質問を続けてもいいかどうかわからなかったが、あたしたちの目的は全く果たされていないから、帰るわけにもいかなかった。


「宝来家ですよね?」


先生がそう質問した瞬間、桜さんは大きく目を見開いた。


そして、なにかに怯えるように震え始めたのだ。


「ちょっと、もう質問はやめた方がいいかもしれないよ」


杏美が後ろから声をかけてきた。


「そうだね。なんだか様子がおかしいよね」


あたしも杏美に同意する。


しかし、それはもう遅かったのだ。


次の瞬間、桜さんは悲鳴のような声を張り上げていたのだ。


それは亜香里ちゃんの悲鳴によく似ていて、思わず耳を塞いでいた。


ベッドの上に座った桜さんの顔が、徐々に亜香里ちゃんに見えてくる。


シワシワの肌はガサガサにひび割れ、ひっかいて落下した箇所は黒い石になっていく。


口からはボトボトと腐った黒い水を流し、ポルターガイストを引き起こす。


一瞬にしてすべての恐怖を思い出し、あたしはその場にしゃがみ込んでしまった。
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