ポルターガイスト~封じられた扉~
最初の方は読み飛ばし、桜高校が設立されたあたりで手を止める。


その時だった。


日記帳の隙間から1枚の写真が落ちて来たのだ。


それを手に取って確認してみると、ひどく劣化しているが間違いなくあの屋敷の写真だった。


「桜さんも、屋敷を取り壊す前に写真を撮っていたのか」


広貴の言葉に頷きかけたとき、その写真がやけに分厚いのがわかった。


指先で触れた時に違和感がある。


「なんだろう……?」


そう呟いて写真を確認してみると、四隅が剝がれかけているのがわかった。


「これ、2枚の写真がくっついてるんだ」


横で見ていた紀人が言う。


そうなのかもしれない。


あたしは写真が破れないよう、細心の注意を払いながらめくれている部分を剥がし始めた。


時々ベリベリと嫌な音を立てながらも、どうにか破くことなく剥がす事ができた。
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