ポルターガイスト~封じられた扉~
「ここに、工事中に事故や怪我にあった人のリストがあるんだけど……」


深刻な表情で杏美が言い、あたしたちにファイルを見せて来た。


そこに書かれている名前はページ一枚を埋めてしまいそうな勢いだったため、あたしは目を見開いた。


「一体何人の人が被害に遭ったの?」


「全部で20人だって書かれてる」


その言葉にあたしは目を見開いた。


「クラスの半分が事故や怪我に遭ったことになるのか。それでも工事は続けたんだな」


元浩が顔をしかめている。


ここまでも被害が出ても、桜さんは学校設立をやめなかったのだ。


相当強い意志があったのだろう。


「桜さんの日記には行方不明者も出たって書いてあったよね?」


「それは、こっちに載ってた」


あたしが聞くと杏美が次のページを見せてくれた。


こちらにもズラリと人の名前が書かれている。


が、さすがに人数は少ない。


工事に関わりって行方不明になった人は全部で5人ほどらしい。


しかし、その全員がいまだに行方知らずのままだった。
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