ポルターガイスト~封じられた扉~
そしてついに、桜さんは亜香里ちゃんの部屋の取り壊しを断念したのだ。


学校設立自体は続行し、部屋は残す。


その方法はひとつしかなかった。


どこかの教室に部屋を埋め込んでしまうことだったんだ。


「学校設立の時はしっかりお祓いもしてもらったと書かれてた。それでも効果がないくらい、亜香里ちゃんの魂は根強くここにとどまってるんだ」


広貴が息を吐きだして言った。


「そんな強い霊、あたし達だけの力でどうにかなるのかな……」


不安になって呟いた時、あの眠気が襲ってきていた。


急激な眠はなにかを考える暇さえ与えてくれない。


あたしは自分の体がズッシリと重たくなっていくのを感じながらも、それにあらがう事ができなかった。


そのまま図書室の床に崩れ落ち、目を閉じたのだった……。
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