ポルターガイスト~封じられた扉~
「紀人……」
隣で見ていた杏美の目に涙が浮かんでいた。
「あたしも、亜香里ちゃんを抱きしめてあげたい」
杏美がそう言い、眠っている亜香里ちゃんの体に両手を伸ばした。
それにつられえるようにしてあたしたちもベッドの周辺に移動した。
あたしは布団の下になっていた亜香里ちゃんの左手を握りしめた。
10歳とは思えないガサガサの肌。
ささくれだった肌はチクチクとして痛かった。
それでもあたしはその手をギュッと握りしめた。
「辛かったね。もっともっと、愛してほしかったよね」
愛奈が亜香里ちゃんの頭を撫でながら呟く。
すでに死んでいる少女へこんなことをしてどうなるのか、誰かが見たらきっと顔をしかめるだろう。
だけど、今のあたしたちにできることはこのくらいのことだった。
あたしたちが持っている限りの愛情を、亜香里ちゃんに注ぐこと。
隣で見ていた杏美の目に涙が浮かんでいた。
「あたしも、亜香里ちゃんを抱きしめてあげたい」
杏美がそう言い、眠っている亜香里ちゃんの体に両手を伸ばした。
それにつられえるようにしてあたしたちもベッドの周辺に移動した。
あたしは布団の下になっていた亜香里ちゃんの左手を握りしめた。
10歳とは思えないガサガサの肌。
ささくれだった肌はチクチクとして痛かった。
それでもあたしはその手をギュッと握りしめた。
「辛かったね。もっともっと、愛してほしかったよね」
愛奈が亜香里ちゃんの頭を撫でながら呟く。
すでに死んでいる少女へこんなことをしてどうなるのか、誰かが見たらきっと顔をしかめるだろう。
だけど、今のあたしたちにできることはこのくらいのことだった。
あたしたちが持っている限りの愛情を、亜香里ちゃんに注ぐこと。