ポルターガイスト~封じられた扉~
「あたしたちは亜香里ちゃんのことが大好きだよ。だからもう、楽になってもいいんだよ?」


そう声をかけた瞬間だった。


亜香里ちゃんがカッと目を見開いたのだ。


杏美と愛奈の2人が小さく悲鳴を上げる。


真っ黒な空洞があたしたちをジッと見つめていた。


恐怖心で自分の体が震え始めるのがわかった。


今すぐ亜香里ちゃんの手を離して逃げ出してしまいたい。


そんな気持ちをどうにか押し殺して、あたしは亜香里ちゃんの手を握りしめ続けていた。


すると次の瞬間……。


真っ黒な空洞だった目に、光が宿ったのを見た。


「え……?」


思わず呟く。


ガサガサだった肌は徐々に水水しく、10歳の柔らかな肌へ変化していき、ボロボロに汚れていたパジャマも綺麗な状態に戻っていた。
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