ポルターガイスト~封じられた扉~
あたしは唖然としてその光景を見つめていた。


気が付けば、ベッドで横になっている少女の頬には赤みが差し、生前の亜香里ちゃんそのものに変化していたのだ。


「お姉ちゃんたちは、あたしを愛してくれるの?」


小さく、消え入りそうな声でそう言う。


あたしは無意識の内に何度も頷いていた。


亜香里ちゃんは上半身を起こしてあたしたちを見まわし、そして大粒の涙をこぼし始めた。


「俺たちは亜香里ちゃんのことが大好きだよ」


広貴が亜香里ちゃんの頭を撫でる。


すると亜香里ちゃんは大きな声をあげて泣き始めた。


それは幼い子の泣き声で間違いなかった。


釣られて泣いてしまいそうになるのを、グッと押し込めて我慢する。
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