ポルターガイスト~封じられた扉~
亜香里ちゃんはもう成仏したがっているから、洋司君を納得させればすべてが終わるはずだった。
「井戸の中は冷たくて、暗くて、呼吸ができずに苦しかったよ。僕の体は氷みたいに冷たくなって、石みたいに硬くなった」
「わかってる。洋司君も辛かったんだよな」
広貴が気を取り直したように、亜香里ちゃんの体を抱き寄せた。
黒い水が広貴の制服を汚していく。
「だけど、そろそろ許してやらないか? いつまでもここにいたんじゃ、洋司君も苦しんだろう? 2人で天国へ行って、また姉弟として生まれてくればいい」
「また、姉弟として……?」
洋司君の声が変わったのがわかった。
広貴の言葉がちゃんと届いているのだろう。
「井戸の中は冷たくて、暗くて、呼吸ができずに苦しかったよ。僕の体は氷みたいに冷たくなって、石みたいに硬くなった」
「わかってる。洋司君も辛かったんだよな」
広貴が気を取り直したように、亜香里ちゃんの体を抱き寄せた。
黒い水が広貴の制服を汚していく。
「だけど、そろそろ許してやらないか? いつまでもここにいたんじゃ、洋司君も苦しんだろう? 2人で天国へ行って、また姉弟として生まれてくればいい」
「また、姉弟として……?」
洋司君の声が変わったのがわかった。
広貴の言葉がちゃんと届いているのだろう。