ポルターガイスト~封じられた扉~
「そうだ。今度はきっと世界一中の良い姉弟になれるぞ。だって、両親の問題がなければ2人はとびきりの仲よしだったはずだ」


「……お姉ちゃんと、また姉弟に」


「そうだよ洋司君。きっと幸せになれるからね!」


あたしは洋司君の心を動かすために叫んだ。


みんなも、必死に自分の気持ちを伝えている。


「僕はまたお姉ちゃんと姉弟になる……」


「うん!」


「……本当にいいんだね?」


洋司君の言葉にあたしは首を傾げた。


なにか、含みを持った言い方に聞こえたからだ。


しかし、他の5人は気が付かなかったようで、洋司君へ言葉を投げかけ続けている。


「じゃあ、僕はそろそろ行くよ。お姉ちゃんもきっと、すぐに追い掛けてくれる……」


洋司君がそう言った次の瞬間、亜香里ちゃんの体から黒いモヤがフワリと浮かんで天井へ向けて消えて行くのが見えた。
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