ポルターガイスト~封じられた扉~
「ちょっと待って。スマホで外と連絡を取ればいいんだよ!」


あたしはハッと思い出してそう叫んだ。


同時にスカートのポケットからスマホを取り出し、学校の番号を表示させた。



しかし……。


「ダメだ。電波がない……」


調理室の中なら電波があったけれど、壁の中までは電波が届いていないみたいだ。


たった一枚ボロボロのドアを隔てているだけなのに……。


「くそっ! 本当に閉じ込められたか!?」


元浩と紀人がドアへ体当たりをする。


男子3人で思いっきりドアを蹴る。


しかし、いずれもドアは埃を上げただけだった。


「家庭科の先生が来てくれれば気が付いてくれるかもしれないけど……」


杏美が呟く。


「でも、あれだけ大きな音がしても誰も来なかったよね? どうしてだと思う?」


愛奈の問いかけには誰も返事ができなかった。


ただ、嫌な予感だけが胸に渦巻いている。
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