ポルターガイスト~封じられた扉~
でも、これから成仏する魂が生きている魂に向けて言うには不自然な言葉。


まるで、自分が成仏することでなにかが起こることを知っているような……。


「アアアアアアアアアアアアアア!!」


耳をつんざく悲鳴が聞こえて来たのはその直後だった。


あたしたちは弾き飛ばされるようにして床に転がった。


耳を塞ぐ暇もなく、部屋の中の家具たちが宙を舞って落下してくる。


ベッドの上にいたはずの亜香里ちゃんが悲鳴を上げながら、乱暴に空中を飛び回っているのが見えた。


「どうして!?」


あたしは悲鳴に負けないくらいの声で言う。


洋司君の魂は抜けたはずだ!


「くそっ!」


広貴が舌打ちをしてあたしの腕をつかみ、ベッドの横へと非難した。


できるだけ身を低くして様子を伺う。
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