ポルターガイスト~封じられた扉~
本棚が横倒しに倒れたかと思うと、破裂音を響かせて爆発した。


木片があちこちに飛び散り、杏美が悲鳴をあげる。


テーブルや机は天井まで飛び上がったかと思うと、勢いよく落下してきた。


ここまで激しいポルターガイストは今までで初めてかもしれない。


床に転がった花瓶は、前触れもなく弾けとんだ。


亜香里ちゃんが怒っていることは一目瞭然だった。


でも、どうして?


亜香里ちゃんは成仏したがっていたはずなのに……。


なにもかもわからなくて混乱していたとき、亜香里ちゃんの日記帳が目の前に落下してきた。


まるで、『読め』と言わんばかりに乱暴にページが開かれる。


あたしは恐る恐る日記帳を手に取り、開いたページを読み始めた。


異変はすぐに気が付いた。


今まで子供らしい文字でつづられていた日記だが、そのページだけは明らかに大人が書いた文字になっていたのだ。
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