ポルターガイスト~封じられた扉~
少女の目は血走り、口の端からはヨダレを垂らしていた。


『どうしてこんなに力が強いんだ!』


父親が懸命に体を押さえつけているが、それでも少女は起き上がろうともがき続けていた。


『もうダメ……。もう無理なのよ!』


少女を恐怖の目で見つめる母親が叫ぶ。


その顔は真っ青だ。


『お前ら2人とも……殺してやる!!』


低く唸るような声が、部屋の中に響き渡った。


『やめるんだ亜香里!』


『あたしの名前は亜香里じゃない! 愛奈だ!』

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