ポルターガイスト~封じられた扉~
そこで映像が途切れて、現実世界に引き戻される。


あたしは自分の胸に手を当てて早鐘を打つ心臓を沈めた。


「今のはなんだ!?」


紀人が叫ぶ。


その視線は愛奈へ向けられていた。


愛奈は無表情でその場に立ち尽くしている。


「愛奈って……言ったよね?」


近くにいた杏美が後ずさりをする。


「どういうことだ? ただの偶然か?」


広貴が混乱したように言った。


亜香里ちゃんが作った人格と、愛奈の名前が偶然一致しているだけ。


あたしだって、そう思いたかった。


でも……。


ふわりと亜香里ちゃんが下りて来たかと思うと、愛奈の隣に立った。


そして2人の体は重なり合うようにして混ざり合い、1人の亜香里ちゃんへと姿を変えたのだ。
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