ポルターガイスト~封じられた扉~
「さぁ、そろそろ時間だ。この部屋はもう必要なくなったからな」


亜香里ちゃんがそう言った途端、足元に黒い水が溜まりはじめた。


それはみるみる水位を上げて行く。


あっという間にくるぶしまで浸かってしまった。


「なんだよこれ!」


元浩が悲鳴を上げて逃げ惑う。


黒い水はローションのようにヌルヌルしていて体にからみついてくるようだった。


くるぶしまでだった水が、すぐに膝まで上がって来る。


鼻が曲がるほどの異臭に吐き気がした。


「誰か! 助けてくれ!」


広貴が叫び声を上げながらドアを叩く。


しかし、何の反応も見られない。


「ここも時期に、井戸の中と同じようになる」


亜香里ちゃんはそう言い笑い声を共に壁をすり抜けて消えて行ったのだった……。
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