ポルターガイスト~封じられた扉~
「大声を出したら誰か気が付いてくれないかな?」


小さな期待を抱いてそう提案した時だった。


視界の端で何かが動いた。


ハッと息を飲んで視線を向ける。


部屋の中にはあたしたち6人しかいない。


でも、嫌な汗が背中に流れて行くのを感じた。


誰か……いる!


7人目の存在を肌で感じ取り、呼吸が徐々に浅くなっていくのを感じた。


机。


テーブル。


棚。


どこも異常は見られない。


だけどただ1つ、人間がいられるような場所があったんだ……。


全員の視線がただ1つのベッドへと注がれる。


入ったときには気が付かなかったけれど、ベッドの上の布団が微かに盛り上がっているのだ。


それは規則正しく上下に動いている。


まるで、ベッドの中で誰かが呼吸をしているような……。
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