ポルターガイスト~封じられた扉~
☆☆☆

家に戻ってきたあたしだったが、どうしても悪夢のことが忘れられないでいた。


あんなにリアルな夢、今まで1度も見たことがない。


部屋の空気の冷たさも、埃っぽさも、夢だとは思えないことが多すぎた。


それに、鼓膜が破れるかと思うほどの少女の悲鳴……。


思い出すだけで全身に鳥肌が立った。


あたしは自室のベッドに寝転がり、スマホを操作し始めた。


桜高校について検索してみると、最初に学校案内が表示される。


今年設立39年、来年で40年だということが大々的に書かれていて、来年開催予定のイベントもすでに発表されている。


サイト内をくまなく調べてみても、妙なところは見つからなかった。


もちろん、あの部屋についての記載もない。


「やっぱり夢だったのかな……」


そう呟いて他のページをクリックした時、劣化した写真が表示された。


それはとても大きなお屋敷の写真で、玄関前に4人の男女が立っている。


見たところ、家族のようだ。


父親、母親。


そしてお姉さんと弟という構図。


この人たちは誰だろう?


そうして桜高校と検索して出て来るんだろう?


気になったあたしはスマホ画面を拡大して、家族の顔を確認した。
< 29 / 202 >

この作品をシェア

pagetop