ポルターガイスト~封じられた扉~
「シッ! あの子が起きちゃうかもしれないでしょ」


あたしはそう言ってベッドを指さした。


そこでようやく5人は布団の膨らみに気が付いたみたいだ。


「ここは昼間見たあの部屋で間違いなさそうだな。なにがどうなってるのかわからないけど、俺たちはまた戻って来たんだ」


ゴクリと唾を飲み込んで広貴が言う。


また、戻って来た……。


その言葉にふとあることを思い出した。


「あたしたち、昼間ここへ入ったとき、急に眠気がして気が付いたら調理室にいたよね?」


「確かに、そうだったな」


広貴が頷いてくれる。


「それで今度は、夜に眠りについたらここで目覚めた……」


「眠る事で、この部屋と外を行き来するってことか?」


広貴の質問にあたしは頷く。


まだ明確ではないけれど、拉致されたわけじゃないのならそれが有力だと感じられた。


あたしたちの体はまるで瞬間移動したように、行ったり来たりしているのだ。
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