ポルターガイスト~封じられた扉~
1人で悶々と考えていると、不意に悲鳴の音量が変化した。
今までは高音でひたすら「キャアアアアア」と続けて叫んでいたのが、音程が低くなったのだ。
「なんだ……?」
変化にすぐに気が付いた広貴が顔を上げて確認する。
音程が低くなったことで耳への負担は軽減されたのだ。
部屋の中には相変わらず物が飛び交っているけれど、悲鳴はグネグネと音程を替え、時に「あ」とか「し」とか、日本語として聞き取れる部分が出て来た。
「何か言いたいんだ!」
ハッとして声を上げ、亜香里ちゃんへ視線を向ける。
亜香里ちゃんはベッドに座ったまま「ア、ア、ア、ア、ア、ア、ア」と、壊れたCDのように同じ文字を繰り返す。
それは聞いているだけで全身に寒気が走るような声だった。
だけど耳は塞がず、あたしは懸命に亜香里ちゃんの言葉を聞きとろうとした。
「タ、タ、タ、タ、タ、タ、タ、タ」
「アとタ……?」
これだけじゃなにが言いたいのかわからない。
今までは高音でひたすら「キャアアアアア」と続けて叫んでいたのが、音程が低くなったのだ。
「なんだ……?」
変化にすぐに気が付いた広貴が顔を上げて確認する。
音程が低くなったことで耳への負担は軽減されたのだ。
部屋の中には相変わらず物が飛び交っているけれど、悲鳴はグネグネと音程を替え、時に「あ」とか「し」とか、日本語として聞き取れる部分が出て来た。
「何か言いたいんだ!」
ハッとして声を上げ、亜香里ちゃんへ視線を向ける。
亜香里ちゃんはベッドに座ったまま「ア、ア、ア、ア、ア、ア、ア」と、壊れたCDのように同じ文字を繰り返す。
それは聞いているだけで全身に寒気が走るような声だった。
だけど耳は塞がず、あたしは懸命に亜香里ちゃんの言葉を聞きとろうとした。
「タ、タ、タ、タ、タ、タ、タ、タ」
「アとタ……?」
これだけじゃなにが言いたいのかわからない。