私が王子の彼女役? (365枚のラブレター もう1つの恋)
「エイト様
彼女ってどういうことですか?」
取り巻き女子が私を睨みつけながら帰ったあと
私は聞いた
「それよりもさ、名前教えてくれない?」
あの……
私の質問は無視ですか……
「だから、お前の名前」
「高梨 舞(たかなし まい)…です」
「舞ね、これから彼女役よろしく!」
彼女…役…?
そうだよね……
名前も知らない私を
エイト王子が彼女にするわけないものね
「どうしてエイト様は
彼女役が必要なんですか?」
「舞も見ただろ!
俺の周りって女子だらけなわけ
彼女がいるって言えば
女子たちがいなくなりそうじゃん
クララの友達なら、安心かなって思って」
取り巻きの女子たちを追い払うために
私を彼女ってことにしたいのね
ん?
クララの友達?
そうだ!クララだ!
あの時エイト様は
『クララのこと、協力する』って
言ってくれたんだ
「エイト様
さっきの約束って本当ですか?」
「クララのこと?
協力はする!
でも、戻ってくるって保証はないからな」
嬉しすぎる!!
この11か月
クララのために何もできなかった!!
それなのに
魔法界の王子が協力してくれる!!
「クララが戻ってくるためなら
私なんだってしますから」
「なんだってするか
良い心がけだ
じゃあ、俺の彼女役よろしくな」
「はい」
これでクララが
戻ってきてくれるかもしれない
私は嬉しくて嬉しくて
両手をグーにして口にあて
ニーっと微笑んだ