桜が咲く日、桜の下で、想いを描く
隣を見てみると、青いターバンを頭に巻いた女性の絵が!

「わぁ……『真珠の耳飾りの少女』!」

「ヨハネス・フェルメールの絵だな」

その隣にあるのは、『叫び』!

「『叫び』!日本では、『ムンクの叫び』として有名な奴!」

早川先輩が、珍しく目を輝かせている。

「そうですよ。エドヴァルド・ムンクが描いた絵!」

またまたその隣には、あの独特な絵が特徴の『ゲルニカ』が!

「あ、パブロ・ピカソの『ゲルニカ』!確か、戦時中の爆撃を題材にしてるんでしたよね」

「そうだね。お、『富嶽三十六景』……っ!?葛飾北斎だ!」

こんな感じで、私たちは美術館内を歩く。早川先輩の隣は、居心地がいい。そんな楽しい時間は、すぐに終わった。

「今日は、楽しかったなぁ~」

私は、帰り道を歩きながら呟く。坂本先輩は「河村も、早川も騒いでたよね~。子供みたいに」と私と早川先輩を見つめてニヤニヤ笑った。

「……あ!先輩、さようなら!」

私は、私に向かって手を振るお母さんの姿を見つけ、先輩に挨拶をして走り始める。

「おう。気を付けろよ~」

後ろから早川先輩の声が聞こえた。
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