桜が咲く日、桜の下で、想いを描く
その日の夜、私は久しぶりにアナログ(下書きから色塗りまで全部、紙に描くこと)で絵を描くことに。今回は、スケッチブックを使い切って無いのでコピー用紙に描くことにした。
いつものように下書きをし、万年筆でペン入れをする。インクを乾かし、消しゴムで下書きを消そうとした。
クシャッと音がし、紙にシワが出来る。
……あーあ、またやった……。
私は、落ち込みながらも下書きを消し、アルコールマーカーを手に持った。
「ん?インク切れ……?この間、買ったばっかなのに……」
私は、仕方なく色鉛筆で色を塗ることにした。36色の色鉛筆だ。
私は、色鉛筆を手に取り、色を塗り始めた。
それから何か月かの月日が経った。今日は、早川先輩の卒業式。
「河村さん!」
卒業式が終わって放課後なり、香澄ちゃんと校舎内を歩いていると、小林先輩に声をかけられた。
「小林先輩?」
私が首を傾げると、小林先輩は無言で私の腕を引いて走り出す。
「せ、先輩……?」
「さぁ、靴履いて!」
私を急かすように先輩は言った。私は、先輩の行動に疑問を持ちながらも素直に従う。