篠田くんの取扱説明書
「篠田くん」
「なに?」
「……ちょっと用事思い出しちゃった!
1人でまわっててくれる?」
「は?
え、おい!」
篠田くんに引き止められないよう、人混みに紛れるようにして逃げ出した。
……やっぱり篠田くんは、美月さんといるべきだ。
私が篠田くんの彼女なんて勘違いされたら、篠田くんに申し訳ないもん。
篠田くんが“友達”だと思ってても、
まわりからは勘違いされちゃうかもしれないんだから、私も気を付けないといけなかった。
甘えちゃいけない。
スタンプラリーの参加費も、今度ちゃんと返そう。
友達らしい態度をとるようにしなくては。