篠田くんの取扱説明書
「部屋に匂いこもっちゃうかな…」
部屋の前まで来て少し心配しながら、視聴覚室のドアを開けた。
窓を開けると、心地良い風が入ってきてカーテンを揺らす。
……篠田くんがよく寝てる場所なだけあって、やっぱり落ち着くなぁ…。
お店が出ている場所から離れているから、人の声が遠くに聞こえる。
いつも篠田くんが寝てる場所に座って、買ってきたものを広げた。
「美味しそう〜♡」
いただきまーす!と言ってから焼きそばとお好み焼きを食べ始める。
食べながら、ふと窓の外に視線を向けると。
「……あ…」
篠田くんと美月さんが一緒に歩いてるところが見えて、美月さんが大勢の人に囲まれてスタンプを押していた。
……やっぱり、スタンプ係、美月さんだったんだ…。