篠田くんの取扱説明書
風で飛んでっちゃったのかな?と床を探してみてもゴミはどこにも落ちていない。
誰かここに来て、持っていってくれたのかな?
そんなことより、急いで先輩のクラスに衣装を返しに行かなくては…!
「あ、
いらっしゃい、赤ずきんちゃん」
ニコニコと私を迎えてくれたのは、
角が生えた…“ボス”。
「立花先輩…角が…」
「失礼しちゃうよね。
俺の衣装、“魔王”だって」
失礼しちゃうよねとか言いつつ、
ちょっと楽しそうだよ、先輩…。
「あ、長いこと借りてしまってすいません…!
衣装を返しに来ました…!」
「あぁ、そっか。
じゃ、そっちの更衣室へどうぞ」
急いで制服に着替えて、衣装を先輩に返した。
「どうだった?仁とのデートは」
その時に、先輩に楽しそうな顔でそう言われた。
で、デートって…。