篠田くんの取扱説明書
「なんで、私が…」
きっと、美月さんと一緒にやったことなのに。
私が行って、どうするの…?
「美月さんがいるだろうし、
私が行っても仕方ないです…」
「百華がいようが関係ない。
桃奈ちゃんが仁に会いたいと思えば、会いに行けばいい」
立花先輩はまるで、私が心の奥に閉じ込めてる気持ちを知っているみたい。
篠田くんに会いたい。
篠田くんと一緒にいたい。
篠田くんの……特別になりたい。
美月さんみたいな、特別になりたい。
そんな気持ちを知っているんじゃないか。
鍵をかけてるはずなのに、先輩は鍵を壊そうとしてくる。
うっかり言葉にしてしまいそうで…怖くなる。