篠田くんの取扱説明書
私は、ちゃんと意味があるよ。
お揃いのものを選んだのも、ブレスレットを選んだのも…。
「篠田くん、私ね」
「?」
「篠田くんを独占したい。
そう思って、選びました」
ニコっと笑って、自分のブレスレットに視線を落とした。
「……これ、ありがとう。
大事にするね」
篠田くんと目を合わせるのが恥ずかしくなって、視線を下に向けたまま、新聞部の部室を出た。
「ふーん…。
やっぱ桃奈ちゃん、興味深いな」
出る直前に蜂谷くんが何か呟いていたことには、気付かなかった。