篠田くんの取扱説明書
あれ…っていうことは。
「あの時の男の子は先輩だったんですか?」
「違うよ」
先輩がぎゅ、とピアスを握り、
自分の耳につけた。
「その男の子をそんな目にあわせたのは、俺が原因。
だから、桃奈ちゃんがつらい思いをしたのも…俺が原因…。ごめんな…」
私の額の傷を撫で、泣きそうな顔をする先輩。
「……先輩が原因って…?」
あの時の男の子のことを思い出して、怒りを含んだ視線を先輩に向けると
先輩が困ったように眉をさげ、口を開いた。