篠田くんの取扱説明書
*久我と運命─仁side
「なぁ」
「うわぁ!!篠田くん!!」
俺が声をかけると、すごくビックリする…たしか、南。
久我のカバンが置いてあるのに、授業に出てないのが珍しいから、
南に何か知らないか聞こうと思ったんだが…俺から声をかけられるのには慣れていないらしい。
「篠田くんがあたしに声かけるなんて珍しいね」
「……別に。
久我がどこにいるか知らないかと思って。
アンタ久我とも仲良いし、大雅くんとも仲良さそうだし、あんまり警戒してないから」
「そうなんだ?
やだ、そんなこと言われるとちょっと嬉しいかも」
ふふふ、と笑うと、南が俺の腕を指差した。
「ブレスレット、お揃いだよね」
「……まぁな」
「どうして付けてるの?
美月さんに誤解されちゃったりしない?」
……誤解、ね。
……別に、されたって構わない。
俺が好きで付けてるんだから。