篠田くんの取扱説明書
「……好きでつけてる」
「そのブレスレット好きなんだね」
「いや…」
ブレスレットそのものっていうよりは…
久我にもらったものだからつけてる、と言った方が正しいかもしれない。
「……どうしてだろうな」
「ん?」
「いつでもここに久我がいるような気がして…
それが、すげー心地いい」
いつもは嫌いな教室の雰囲気も
久我がいなくても、なんとなく心地よく感じてしまう。
「本当に不思議だ」
「そっか。
そっかそっか、篠田くん、そうか〜」
「……な、なんだよ」
ニコニコして嬉しそうにしている南。
……ったく、一体なんだっていうんだよ…。