篠田くんの取扱説明書
「ねぇ!
その紙取りにそっち行くから、ちょっと待ってて!」
「は、はいっ!」
コクコクと頷くと、蜂谷くんはニッと笑って廊下を走った。
……大事な紙なのかな。
ペラッと紙を広げてみた。
そこには、手書きの、お世辞にも綺麗とは言えない字で、
【篠田くんの取扱説明書】
そう書かれていた。
……篠田くんって、あの篠田くん?
私と同じクラス、2年D組の、
一番の問題児と言われている、彼のことじゃないだろうか。
そういえば蜂谷くんは、あの篠田くんと仲が良かったような…。