篠田くんの取扱説明書
*篠田くんと弱い私
雲が流れていく空をぼーっと見つめたまま、
気付けばお昼になろうとしていた。
…ほぼ一日、授業をサボってしまった…。
先輩は途中から授業に行っていなくなってたけど、私はずっと屋上で座ったまま。
……今ごろ、篠田くんは何してるかな。
美月さんと一緒かな…。
もう誰も邪魔なんてしなくて、
2人で、幸せを育んでいくのかな。
……いいじゃん。あの時ボロボロだった男の子は今幸せに暮らしてる。いいことじゃん。
あの時のことを忘れた方が幸せなら、
私は絶対に、あの時の女だと名乗ってはいけない。