篠田くんの取扱説明書
本当なら、あのバカの役目のはずだけど。
でも、
今も昔も、桃奈ちゃんを傷つけてる原因は俺だ。
俺が仁のことを桃奈ちゃんにふっかけたりしなければ、きっとこんなことにはならなかった。
……俺のせいだ。
「こうなることくらい、簡単に予想出来たのに…」
「……どういうことですか?」
「………」
最初から、百華が嫌いだった。
だから仁に早く手を引けと言った。
百華がただの女であれば、そこまで言わなかったよ。
こんなの、今までずっとケンカしてきた俺のカンだけどさ、
あの女……絶対なにかするって思ったんだ。
さっき、桃奈ちゃんが水をかけられるところを、屋上から見ていた。
もちろん、誰がやったのかも。