篠田くんの取扱説明書
なんとなく、わかった。
美月さんと比べられる位置において、私を陥れようとしてるんだ。
篠田くんを利用してまで、私と美月さんを比較して私を笑いたいわけだ。
なんて汚い。やっぱりヤンキーの考えてることなんて常人の私には理解出来ない。
「あぁっ、もういいとか言わないでよ。
うーん…桃奈ちゃんじゃなきゃいけない理由は…
桃奈ちゃんが、仁の運命の相手だから、かな」
「………アホくさ」
「あ、ちょっ、桃奈ちゃん!?」
先輩の話に付き合ってたらもう昼休みが終わる時間になっていて。
先輩との話を終わらせるように、教室に向かって走り出した。
……何が、運命の相手だ。
蜂谷くんも、立花先輩も、私のことをバカにしてる。
そんな人のお願いなんて、もう絶対聞いてやらないんだから。