篠田くんの取扱説明書
自販機でイチゴミルクを買うと、待っていてくれた篠田くんがチラッと私の手元を見た。
「イチゴミルク好きなのか?」
「うん」
「弁当に合うか?」
「……合わないかも!!」
「……ふはっ」
言われてハッとした私に、
篠田くんが吹き出した。
「わ、笑わなくても…!」
「いや…っ、悪い。
そういうちょっと抜けてるとこも、久我らしくていいな」
なにが“いい”なのかわかんないけど
篠田くんがあまりにも柔らかく笑うから
何も言えなくなってしまった。