篠田くんの取扱説明書




イチゴミルクは後で飲むとして、お弁当用にお茶も買って教室に戻る。



その時も篠田くんは隣にいてくれて、なんだか安心した。



……そう思ったのも束の間。



階段を上っていた時、上から人が下りて来たので



それに気付いて避けようとしたら。




「きゃっ」




その人が体勢を崩し、私の肩をドンッと押した。




「……え」




体が後ろに倒れていく時。



階段の上に、美月さんがいることに気付いて。



ぶつかった女の子と、



上から私を見下ろす美月さんが、ふっと不敵な笑みを浮かべるのが見えた。



……あ、私、



やっぱり美月さんに、恨まれてるのかな。



彼女がいること知っていながら、篠田くんにいろいろアプローチしちゃってたもんなぁ…。



これは私への罰かなぁ…。



そんなことを考えながら、床に叩きつけられる衝撃がくるのを覚悟していた。



……でも、その衝撃は来なくて。






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