篠田くんの取扱説明書
背中に腕が添えられてて
咄嗟に閉じてしまっていた目を開けると、篠田くんが私を支えて、階段から落ちないように踏みとどまってくれていた。
「……あぶな」
……あ、
また、助けてくれた…?
「し、篠田くん…ありが…」
「ぶっ殺す」
私がお礼を言うのを遮って、篠田くんが低い声で呟いた。
「ご、ごめんなさい…!
迷惑かけてしまって…!!」
あまりに迷惑をかけすぎて、私に言ってるのかと思っていたけど
篠田くんの視線は、上を向いていた。
「篠田…くん…?」
「………」
篠田くんは私を階段に座らせると
階段を駆け上がる。
そして美月さんの前まで行った瞬間。
篠田くんが、美月さんを押し倒し、美月さんの上に跨っていた。