篠田くんの取扱説明書
篠田くんの背中に額をくっつけて、ぎゅっと抱きしめる力を強くした。
「……危ないこと、しないで…」
小さく呟くと、
篠田くんが私の手をぎゅっと握った。
「……ごめん。
でも、久我だって危ないことしてた」
「……いつ?」
「………」
篠田くんが黙ったから、
どうしたのかと顔を覗こうとしたら。
「んぎゃっ!!」
体が宙に浮いて、
篠田くんが私を肩に担いでいる状態になっていた。
「あ、あの、篠田くん!?」
「………」
無言のまま、篠田くんは私を担いで廊下を歩いていく。
すれ違う人たちに変な目で見られて恥ずかしかったけど…。
篠田くんが止まってくれるまで、私はただ黙って担がれていた。