篠田くんの取扱説明書
「……久我も、俺のこと好き?」
「…え…と」
「俺と一緒にいて、つらいこと思い出したりしない…?」
先輩から聞いた時は、
篠田くんに会いたくなかった。
思い出したくないとも思った…。
でも、それよりも
篠田くんが好きで、一緒にいたいと思ったから。
「つらくないよ…。
篠田くんと一緒にいると、幸せな気持ちになるから」
「俺も、久我といると幸せ」
「私は篠田くんが、好きだから…!
だから、つらいことよりも
幸せなことの方が大きいです…!」
今、あらためてちゃんと告白した。
それが恥ずかしくなって、顔を隠すように篠田くんの胸に顔を埋めて抱きしめた。
「……久我、お前可愛すぎねぇ?」
「滅相もございません…!」