篠田くんの取扱説明書
「……桃奈は嫌?」
「い、嫌じゃないのですが…!!
あの、その…」
「緊張する?」
ぶんぶんと勢いよく頷くと、
「俺はずっと桃奈に触れてたいけど」
篠田くんがふっと笑った。
……篠田くんって、
本当はすごく、甘い?
「桃奈が嫌なら、我慢する」
「い、嫌じゃない…よ!」
「じゃあ、いい?」
うん、と頷くと、篠田くんがぎゅっと私の手を握った。
う、うわわ…
さっきも握られてたけど
篠田くんの手、おっきい。
男の人の手って感じ…。
あの時…この絆創膏の缶ケースを渡した時は、
もっと華奢で、小さかった気がするのにな。
そんなことにすら、ドキドキしてしまう…。